放送大学 舞台芸術への招待第8回 世界の現代演劇
8. 世界の現代演劇
モダン /モダニテイ
19世紀演劇を考察してみる。
大衆社会が出来あがつていくにつれ、韻文の時代から散文の時代へ。
等身大の台詞。
同時代風俗劇の成立。これが当時は”椿姫”、そして現代の韓流ドラマまで
続いている。
新しい芸術的前衛をメインストリートが取り込む、そしてまた新しものが
出てくる、この繰り返し。
19世紀の現代演劇とは
ステファヌ・マラルメ 1842 〜1898) のビジョン
未来の群衆的祝祭劇のモデル
1 詩の郎読会
韻文のリズム’を思い起こす。
2 ワーグナーの楽劇
3 バレエ
4.カトリツクの典礼
アントン・チエーホフ 1850〜1904
「かもめ 」の一部
登場人物の解体を、劇中劇として示した。
20万年後の世界 一つの霊魂。 マルメラの象徴劇へのパロディ。
不条理演劇の作家たち
サミエル・ベケット、ウジェーヌ・イヨネスコ (1909〜1994)
ベケット「私じゃない」口 がしゃべるのみ。匿名の人物と聞き手のみ。
現代の大都市やメディアにも見いだすことの’できる現象ではないか。
主体なき言葉、主体なき声現在も存在している。
表象=代行
俳優は今ここに存在しない登場人物の代理代行となりきることで、
観客は物語の世界に立ちあつているかのようなイルージョンを得ることが
出来る。
これが機能しなくなることがドラマ演劇の危機。
近代演技技術の体系化
ロシアのスタニスラフスキー、アメリカ リー・ストラバーグ
わずかな仕草や、表情の変化のコントロールで、演劇のリアリティを
出すこと。
「俳優の仕事」翻訳あり
ベルトルト・ブレヒト ドイツ 1898〜1956
異化効果 登場人物と俳優の間に批評的な距離が必要と主張し影響を
及ぼした。
アントナン・アルトー 仏 1896〜1948
「演劇とその分身」 残酷演劇 のバイブル
「祝祭」というキーワード
ワーグナーのバイロイト祝祭劇場 古代ギリシャを目指した。
イギリスのシェイクスピア劇
20世紀演出家 ピーター・ブルック「なにもない空間」
一人の人間が歩いて横切り、もう一人がそれを見つめる。
これで演劇行為が成り立つ。
「秘密はなにもない」
アフリカの村や、街頭での演劇実験。
「ハムレットの悲劇」映像一部鑑賞
舞台と観客席か覗き込むような場では、もう一体感は感じられない。
メディアテクノロジーの変化は、祝祭的な意味では大規模化した。
それと同時に、演劇にも別の可能性が生じてきた。
ハンス=テイース・レーマン 「ポストドラマ演劇」という概念
この演出家として タウデウシュ・カントル (1915〜1990)
「死の教室」老人が人形を背負い歩く。
出会えるはずのない死者が登場する。 オブジェ的人物
身体の問題
分節言語では、表現できない。
レバノン ラビア・ムラエ 演出
「これがぜんぶエイプリルフールだったならとナンシーは」
レバノン内戦を語る。
「 演劇はこのままでいいのか」という問いかけが、私達に投げかけられ
ている。