県立大学特別受講 比較文明論レポート

今回の講義は最初はかなり学術的な話になるのではないかと思っていたが、実際は
 今の現代の日本社会や世界情勢の理解にとても役立つ内容であったことがとても嬉しく
 思いました。 特に後進国と言われているアフリカの一部の国々や少数民族について
 新たな理解ができたことがあります。
  全体を通して先生の主張も一貫しており人間の平等、文化の差異を認めるという生き方がこれからも現代社会においてとても重要な事のように思いました。
 採集狩猟民族は、自然破壊をしない知恵と我々の知らない生物に対する知恵や持っており、自然に対する畏れと絶対的な信頼をよりどころに生活し、結果としての平等を実現
しているという捉え方には感動しました。 現代では機会が平等であれば後は本人次第という考えが主流であり、努力しないと結果が出ない、だから頑張れという社会になっていると思う。 そこに世代間の平等意識のズレが加わり問題を複雑化していると思う。
 牧畜民は家畜という財産を元に財の平等の知恵が婚姻をきっかけに実現されているという実態がわかり、いままでは結納金としか思わなかったものが労働力と家畜のバランスを
とるという形で実現されていることに驚いた。
 また農耕民はこれは私たちの身に染みている文化であるのでとても身近な生活習慣の中に息づいていて身につまされる事が多かった。 今は農耕による財産や富の蓄積だけでは
なく商業を通じた財の蓄積や資源国と資源のない国、工業力のある国と発展途上国の存在など複雑な要素がからんでの国の間や国内での平等が崩れている。先進国では社会保障費用に増大に耐えられなくなっており、発展途上国ではなお平等に実現が困難になっている。
 一方、食料を得るという点から主食の米の確保は重要な問題である。 新潟県に住んで
いると米というのは足りて当たり前という認識になっているが、いずれ世界的には食料の確保という問題が大きな課題になってくると思っている。 この時までに自国の農業で主食を確保して置くということは国の安全保障からも重要な問題であり、先生の米はどんなことがあろうと補助金を出しても自給を確保すべきという主張には我々戦後の団塊世代にはわかる話であるが、学生達も理解したと思うで十分教育効果のある話であった。
 最後のイスラム教の講義は、我々とは違う考え方ではあるが、人間の平等と弱さを認めるという考えには共感するものがあって有意義な授業であった。 日本では宗教が生活を規律することが生活習慣としてはあるが、合理的な考えで規律するイスラム教がアラブ世界を越えて広まっているのも、西欧キリスト教的な考えが行き詰まりをし、仏教は政治や生活まで影響の無い葬式仏教となっているなかで、新鮮な響きを感じた。 これを機会に放送大学の授業にもイスラム文化に関する授業があるので25年度は受講してみよう思った。 情報化社会の中で一部のマスコミやインターネットによる上滑りな情報が氾濫しているが、正しく情報をとらえ自分の考えで咀嚼して行動することがより必要となる時にタイムリーに幅広い勉学の機会を与えていただいた先生の講義に感謝し、来期もまた文明への深い洞察を指導していただけることを期待します。 ありがとうございました。