2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の古典 古代編第十回 女流日記文学の成立と展開

十、女流日記文学の成立と展開 一、日記文学前史 土佐日記以前は、漢文で書かれた公務の記録 万葉集巻十七〜二十 大友家持の歌日誌 しかし、恋歌がないなど公的な日記の性格が強い 唐大和上東征伝 鑑真に伝記であるが日記体の記述 入唐求法巡礼記 渡海僧 円…

日本の古典 古代編第十一回 枕草子の世界

十一、枕草子の世界 清少納言 歌人として名高い清原元輔の娘 父の名を汚すまいとした。 和歌は得意ではなかった。 天性の随筆家であった。 春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、少しあかりて、紫だちたる 雲のほそくたなびきたる。 この巧みな表現は…

日本の古典 古代編 第十二回 王朝漢文学の熟成

十二、王朝漢文学の熟成 一、漢文学の日本化 王朝漢文学とは 、承和以降の漢文学 漢文学の日本化が進んだ時代。 古今和歌集の出たことで衰退したように思えるが、そうではなく重んじら ていた。 村上天皇------- 日観集 代表詩人10人の律詩 一条天皇 ---- 「…

日本の古典 古代編 第十三回 源氏物語の世界 (1)

十三、源氏物語の世界 (1) 三部構成となっている。 第一部 第一帖桐壺の巻〜第三十三帖 藤裏場の巻 第二部 第三十四帖 若紫の巻〜第四十一帖 幻の巻 第三部 第四十二帖 匂兵部の巻〜第五十四帖夢の浮橋の巻 宇治十帖 第四十五帖〜第五十四帖夢の浮橋の巻 こ…

日本の古典 古代編 第八回 物語文学の形成

第八 物語文学の形成 一、伊勢物語 成立 �古今和歌集の在原業平の歌だけでなる原伊勢物語 �在中将集や業平集などの増補 �それ以外の増補 の三段階で成立した説が有力 主題 原伊勢物語では 風雅を心を愛する不遇な友達との交情 純粋な恋の物語 初段 むかし、…

日本の古典 古代編 第九回 物語文学の展開

九、物語文学の展開 一、うつぼ物語 作者 源順(みなもとのしたごう)の説もあるが確証なし 和歌の才能に秀でた人 成立 十世紀の半ば。 巻一、年蔭 (としかげ) 年蔭の遣唐使派遣とペルシャへの漂流、そこで琴の秘伝を得て日本へ帰国。 年蔭の娘 | --- 男の子 …

日本の古典 古代編 第七回 古今和歌集の世界

七.古今和歌集の世界 一.承和以後の和歌の復活 936 小野篁の歌 しかりとて そむかれなくに ことしあれば まづなげかれぬ あなう世の中 現代語訳 だからと言って、世にそむくわけにもいかないが、何かあればまず嘆きが先に たつ、ああ憂鬱な世の中だ、 和歌が…