舞台芸術への招待第3回 オペラの現在 ビデオ要約

第3回.オペラの時代 ヴァーグナーの現代性
ビデオ講義の要約
なぜヴァーグナーか 古典的なオペラから現代に転換した人
リヒャルト・ヴァーグナー 1813年〜1883年 ドイツ ドレスデンで革命に参加、亡命。
ルードヴィッヒ2世国王が庇護。バイロイト祝祭劇場を作るきっかけ。
1883年ヴェネツィアで死す。激動の人生。
  ヴァーグナーの現代性
馬蹄形の客席を廃止。現在の教室形式の劇場とした。観客の意識を舞台に集中させること
した。
観客の意識も完璧に変わった。ドイツ・ロマン派の音楽の在り方と似ている。
しかし、ドイツ・ロマン派は「世界の現実の拒否」をしていた。
近代主観主義の内面重視の方向を向いていた。
だが、ヴァーグナーは、世界の現実を拒否しない。ハンスリックの芸術至上主義を批判した。
ヴァーグナーは近代主観主義を超える存在だから現代でも通用する。

<ニユーベルングの指環>の紹介
上演に16時間4日間かかる最長のオペラ。
あらすじ
1,序夜 「ラインの黄金
アルベリッヒ ライン川の水底の黄金を奪い、愛を断念して世界を支配できる黄金の指輪を作る。
前奏曲の一部を聴く。 ダムの画面 荘重な音楽。』
しかし天上界のボータン騙されて指輪を奪われてしまう。
2.ヴァルキューレ
神であるヴァータンと人間との間にできた子供の兄ジークムントは実の妹ジークリンデ
と愛しあい近親相姦してしまい子供もできる。ヴァータンはジークムントを殺そうとして
ブリュンヒルデを向かわせるが、愛に生きると言うジークムントの決意を聞き味方を
することとした。
『「ヴァルキューレの騎行」を聴く。』
命令に背いたブリュンヒルデは罰として人間となり、眠っているに火の壁を作って
守ってくれとお願いする。
『「ヴァータンの告別」を聴く 』
3.ジークフリート
ジークリンデとジークムントの近親相姦で生まれたジークフリートが成長し様々な出来事が
起こる。剣を鍛え直すシーン。
ジークフリートは炎の壁を超えて、人間となったブリュンヒルデと会い愛しあう。
4. 神々の黄昏
ジークフリートは旅に出で、アルベリッヒの息子ハーゲンに忘却の薬を飲まされ、ブリュンヒルデを忘れて殺されてしまう。 ジークムントが火葬になっている火の中にブリュンヒルデは飛び込み、バルハル城が炎上して神々の国は滅亡してしまう。またライン川は溢れて洪水となり、指輪はライン川の水底に沈んでしまう。 そして世界は火と水によって浄化されてしまう。
『詳細は オペラを見てください。』
演出について
Q.バイロイト音楽祭の演出でなぜラインの黄金ライン川が、ダムになっているか。
A.ダムによって近代文明の巨大で不気味な世界を象徴している演出がなされている。
Q.新国立劇場の場面
A.ライン川の3人の娘たちの姿は、ポップカルチャーを取り入れている。
水着姿で誘惑しているシーン。現代日本の本質を表そうとしている。
ストレッチャーで移動するシーン。馬を駆っての騎行は現代では格好のよいものではなく
現代の戦争の悲惨さを訴えるものとしている。
   ここにオペラは現代性を持つ舞台芸術であるということがわかる。
                                                                            以上