日本文学概論 第九回 上田秋成と大田南畝

九、上田秋成大田南畝
 一、二人の交友
上田秋成 1734〜1809 大阪在住 
太田南畝 1749〜1823  江戸在住 幕臣
 大田南畝の出張の折に、大阪や京都で4回会う。
二人の共通点
 ①韻文と散文の双方に通じていた。
 ②書籍の発行に熱心であった。
 ③幅広い分野の人々と交流した。 
    秋成 煎茶道「清風瑱言」。南畝「浮世絵考証」
二、和文の規範と変遷
伴高谿(ばんこうけい)  国学者 「国文世々の跡」
和文の研究書。 「大井川行幸歌」「春は曙・・」「藤川の記」などの
序文を取り上げている。
平安時代の中古体が良いという文章感を著わしている。
思ったことをぎっしりと詰め込まないで表現するのが良い。
三、上田秋成の文学世界
 怪異小説の原点「雨月物語」。 
 歌文集「藤蔓冊子」 (つづらぶみ)
その第四巻 「十雨言」 四季の雨
春雨物語」 歴史物語、歌論、激動の小説など。 空言で真実を知らせる
という文学館が現れている。
四、太田南畝の文学
 狂歌、洒落本 別名 蜀山人、四方赤良、寝惚先生。
 「四方のあか」古典の典拠を次々に取り出しながらスピード感ある文章。
「鎌倉の海より出でし初鰹 皆武蔵野のはらにこそ入れ」
狂歌百人一首
   秋の田のかりほの庵の歌がるたとりぞこなつて雪は降りつつ
        【本歌】秋の田のかりほの盧の苫をあらみ我が衣手は露にぬれつつ
                               天智天皇
        【解説】天智天皇と15光孝天皇の取り札を間違えたのです。この二首、            下句は「わかころもてはつゆにぬれつつ」「わかころもてに
            ゆきはふりつつ」と良く似ていて、競技者泣かせ。
他にこのリンクを参照。 http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/100i/kyouka100i.htm

以上