社会と芸術 第1回 多様性の織物としての芸術

第1回 多様性の織物としての芸術
芸術は社会的な存在である。


例1 絵画 シモール・マルティーニ「受胎告知」

シェナの町ために制作された絵。

大天使ガブリエルが持っている花は普通は白い百合を持っているが

フレンツェ象徴が百合だったので、これを持たせないで、オリーブを持たせた。

背景にはシェナとフレンツェの政治的な対決があった

宗教的な作品に濃密な政治性がある例。

例2 シモーネ・マルティーニ 「マエスタ(荘厳の聖母)」

シェナの市庁舎のノーヴェ評議会の間に飾るための制作した。

エスが持っている文章「この地を治めるものは正義を愛せ」という聖書の

一文が書かれている。 台座の文字は聖母にお願いの文が書かれている。

「・・・私利私欲に走るものがいる・・」「・・・罰を与えましょう・・」

民主主義を守る守護者としての聖母を描いた。きわめて政治的な作品。


例3 ベンヴェヌート・チェリーニ「メドゥーサの首をもつペルセウス

ギリシャ神話の一部の彫刻。フレンツェの「ロッジャ・ディ・ランツィ」に

納められた。君主制に移行したコジモ一世がおいた意味は、民主主義の国家

ではなく専制国家になったことを政治的な脅迫の意味を持った。


このように芸術作品であるが、政治的・社会的な意味を持つ存在である。

作り手も受けても意味をわかっていた。


ディドロ(哲学者)について

ルイ・ミシェル・ヴァン・ロー 「ディドロの肖像」ルーブル美術館

百科全書の作者でもあるが、美術批評家でもある。

ジャン・オノレ・フラゴナール「ティドロの肖像」(ルーブル美術館)

ジャン・アントワーヌ・ウードン

ディドロの胸像」



デイドロの哲学

関係の美学 美は関係である。

A b ------ B A親 B 子供

子供の存在で親の存在が変わり豊かになる。

存在充実の美学 複雑な存在ほど美しい。

豊かな関係をどれほど持ち得るか。

多様生になるほど、美しい。

<一における多の再現>

実在論 古典的な美学 実在の中に美がある。

享受 受け取る側が様々な要素があることを理解


ディドロ「聾唖者書簡」


「詩人の言葉の内には、その言葉の全ての音節を動かし、それらに生命を与える或る精気が、その時(最高度に詩がが詩として優れたものになった時)出現する。この精気とは何か。私は時々、その精気の現在(現に至ること)を感じたことがある。

しかし私がその精気について知っていることの全ては、その精気こそが、諸々の事物か、全く同時に一度に、(言葉で、音で)語られると共に、(視覚的イメージとして)再現される、ということを成すものである、ということであり、またその精気こそが、知性がそれらの諸々の事物を把握すると全く同時に、魂がそれらに動かされて感動し、想像力がそれらを見、耳がそれらょ聞く、ということを成すものである、ということであり、更にまた、その精気こそが、言葉がもはや単に、力強く上品に思想を表明するエネルギッシュに言葉の連なりであるだけでしなくて、その上に更に、その思想を描く、相互に積み重なったイエログリフの織物(織りなす全体)となる、ということを成すものである、といことである。」