芸術史と芸術理論-15
15.今日の芸術
芸術は、現代の世界の奥深いところから成り立っている。
現代の問題は、地球環境破壊の問題である。
環境芸術
ロバート・スミッソン「突堤スパイラル」
石油掘削の失敗から破壊された場所に作った。
タレル 「ローデンクレーター」
クレーターの中に穴とトンネル掘った。 トンネルから宇宙の息吹を感じる人工物。
日本にも「オープンスカイ」を作った。
リチャード・ロング 「ミラージュ」
ヒマヤラ山脈の中に石の一本のラインを作った。石を並べただけの作品。
行為そのものが作品。
作品 アンデス山脈の中に円環を作った。
ノルウェーの奥地に円環を作る。
世田谷美術館の前に石を置いた作品。
自然環境と人間との関わりを表現した。
「クリストとジャンヌ=クロード」
ドローイング作品を売り、作品を実現。
クリストの作品
・「梱包された瓶と缶」オブジェ
・「包まれた公共建物
タイムズスクウェア1番地のプロジェクト」 コラージュ 1968
合成写真で発表したが、実際に梱包する試みをした。
梱包をするために所有者や社会との交渉がおもしろい。
夫婦合作の作品
「包まれたベルン市立美術館」1968
美術館の建物を実際に包んだ
「5600立法メートルの梱包」ドイツ、カッセル市 第四回ドキュメンテ展
空気を梱包
「包まれた海岸線、100立法メートル」オーストラリア、リトル湾
「ヴアレー・カーテン」コロラド州ライフルのプロジェクト」 コラージャ
「壁、包まれたローマ時代の城壁」ローマ市
「ランニング・フェンス」
カリフォルニア州ソノマ郡とマリン郡にまたがる地域に広大なフェンスを作った
「包まれたポン=ヌフ」パリ
包むことがアートか?
包まれた後は違うものに見えてきて、その本質にせまることができる。
日本でも同様な作品を制作した。
「アンブレラ・プロジェクト」 日本-アメリカ 1984-1991
材料はすべて撤去して再利用またはリサイクルする。きれいな環境。36億円
黄色い傘はカリフォルニア
作品は一時性、所有できない、資金はドローイングの売り上げでまかなった。
芸術作品をお金儲けの手段とさせない。
なにも残らない、写真と記憶に残るだけ。
「包まれたライヒスタークプロジェクト」ベルリン 1971-1995
ドイツの国会議事堂を覆った。縮尺模型を1981年作成。国会議決で可決。
制作後 2週間展示する。 制作費用7億円
歴史的価値のある建物を包むプロジェクト。 銀色に輝いて美しい。
芸術は世界の根元から立ち上がってくる。世界に根ざす芸術だから素晴らしい。