和歌の心と情景-12

12.六義園と和歌
  和歌がテーマとなっている庭。今は四季折々に楽しめる公園となっている。
  北村季吟がアドバイス柳沢吉保が作った庭園。
北村季吟
  「湖月抄」 源氏物語の注釈書 古典文化の第一人者であった。
   本文、傍注、頭注 という画期的な構成。 
古今和歌集の研究者で古今伝授を受けた学者。
  古今伝授の系譜
定家--為家--為世--頓阿--経賢--堯尋--堯孝--東常縁---宗禊---三条西実隆--三条西公

  古今和歌集の仮名序
  和歌は「人間関係の発展と幸福の追求」に役立つと書かれている。

 湖月抄の最後の巻 夢の浮橋の最後に書いてある言葉 源氏物語のテーマ
  ・君臣之交 主従関係が理想的であること
  ・仁義之道 理想の友人関係を維持する
  ・風雅之媒 自然を目であい、男と女が結婚し子孫を残す。
  ・菩提之縁 極楽往生して死ぬこと。
  本当の人生とは何かを教えてくれるもの。
北村季吟は江戸に出て古今伝授の理想を政治に生かしたかった。
 1676年 「延宝七年正月試筆」
 "日も暮れぬ 誰泊まるべき 柴の戸を たとひ暫しと 鳥は鳴くとも"
  京都から江戸に出て自分の研究の成果を生かしたいと願った歌。
玉津島神社のVTR (俊成の旧宅跡)に宮司として住んだ。

柳沢吉保 
 1658 誕生
 1680 綱吉将軍となる。
 1688 綱吉の側用人となる
     季吟が江戸に出る。
 1694 川越城主となる
 1702 六義園 完成、赤穂浪士の討入 
 1704 甲府城主となる。15万石
 1709 綱吉死去に伴い隠居
 1714  死去

 柳沢吉保をめぐる賢人達
  儒学者 荻生祖来、細井広沢服部南郭
  禅僧 高泉性 、千呆安立、笠道祖梵
      中国の僧
  古典学者 北村季吟

古今伝授の最後の伝わり
 北村季吟---柳沢吉保---柳沢吉里
 六義園
  人間も思想も建造物も「和歌の力」によって永遠となる。いや和歌の力にたよらなければ永遠のものとなり得ない。という主張が記されている。

六義園のVTR
六義園の内部配置



 六義園の江戸での配置と関係

               北
              久護山
             六義園


西  護国寺      小石川御殿       寛永寺   東

                    湯島聖堂

             江戸城

              南      

            江戸城の北方角の守りとしての位置